老人税 2011 12 10

 メディアでは、将来、消費税が10%まで増税されると、
よく報道されています。
 この増税の狙いとは、何か。
わかりやすく言えば、「老人税」だということです。
 1990年のバブル経済の崩壊後、
数多く行われた景気対策のために、
日本の財政赤字は、巨額なものとなりました。
 このように書くと、なんだか、
日本という国が貧乏になったのではないかと錯覚しますが、
実は、政府だけが貧乏になり、個人は豊かになったのです。
 現在、日本の個人金融資産は、
バブル経済の時期よりも、はるかに多くなったのです。
 日本の個人金融資産は、1990年代から、
急速に右肩上がりで増え続け、
2000年代になってからは、上下しつつ、
リーマン・ショックまで緩やかに増え続けたのです。
 これは、政府の財政赤字が、
1990年代から、ひたすら増え続けたのと比較すると、
あまりにも対照的なものです。
 さて、高齢者世代となると、納税の機会が少なくなります。
もう所得税を払う機会はありません。
また、働いていませんので、
会社で、がんばって法人税に貢献することはありません。
 一方で、国家から給付を受ける機会は、多くなります。
年金、介護、医療などでしょう。
 現在、日本は、少子高齢化により、
現役世代は減少し、高齢者世代は増え続けます。
 このような人口構造では、
いずれ、年金、介護、医療は破綻するでしょう。
 そこで、高齢者世代にも税収に貢献してもらうために、
「老人税」、いや消費税増税が出てきたのです。
消費税ならば、高齢者世代でも、毎日のように納税の機会があります。
 こうした増税を老人税とすれば、わかりやすかったのですが、
さすがに老人税では露骨すぎますので、
消費税を使うことになったと思います。
 もちろん、消費税は、若者世代や中年世代にも増税となってしまい、
現在でも社会保障の負担が大きいのに、
さらに負担が増えてしまうという問題点があります。
 本当は、消費税よりも、
貯蓄税という方式の方がよかったかもしれません。
一定額の預金残高に課税するという方式です。
この方式ならば、若者世代や中年世代には影響が少ないかもしれません。
 若者世代は、正社員が少なく、派遣労働者やフリーターですので、
とても預金する余裕はないでしょう。
中年世代も、子供の教育費やマイホームのローン返済があり、
一方で、リストラや給料カットが続いていますので、
預金は少ないでしょう。
 ただし、こうした貯蓄税(老人税)は、
財産権を保障する日本国憲法とのかねあいで難しいでしょう。
そこで、無難な消費税増税という話が出てきたのです。


































































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